日銀が先日に発表した6月の短観では、飲食・宿泊業界で新型コロナウイルスによる業績低迷の出遅れが観測されました。
私はこの2業種に投資妙味を見いだせないか、調べています。
今回は個別企業の分析の第3回として吉野家HDを取り上げます。
【吉野家HD(9861)】
☆今期(22年2月期)の業績
・売上高
ガイダンス155,100百万円、コンセンサス150,400百万円
ガイダンスは19年比で76.6%
1Qの進捗率は23.5%(36,450百万円)
・当期利益
ガイダンス2000百万円、コンセンサス2600百万円
☆前期(21年2月期)の業績
売上高170,348百万円、前期比78.8%
EPS-116.1円
☆寸評
牛丼の「吉野家」、うどんの「はなまるうどん」を両軸とする同社。
前期は新型コロナウイルスショックの直撃で、最終赤字-7503百万円を計上しました。
今期は2期ぶり最終黒字を目指しており、1Qでは経常利益の進捗が48.5%と巻き返しの気配を見せています。
株価は、コロナ暴落に見舞われた昨年3月に大底で1700円台でした。
現在は2000円台まで戻していますが、コロナ前の2500-3000円台まではまだまだ道の途中といったところでしょうか。
牛丼もうどんも、外食産業では同業他社と苛烈な競争を繰り広げている商品です。
「新型コロナの業績低迷からの出遅れ」は見てとれますが、競争環境に不確定要素が多そうです。
現在の株価が安いのか適正なのか、私には判断できませんでした。
「分からないものには手出ししない」ことを原則とすると、投資対象として検討する優先順位は低そうです。
【注目している外食企業4社】
①すかいらーくHD(3197) 値戻 遅 / 売ガ 285,000百万円 / 進捗 1Q22.7%
②日本マクドナルドHD(2702) 値戻 並 / 売ガ 299,500百万円 / 進捗 1Q25.3%
③吉野家HD(9861) 値戻 遅 / 売ガ 155,100百万円 / 進捗1Q23.5%
④ドトール・日レスHD(3087) 値戻 並 /売ガ 122,180百万円 / 進捗1Q-
・値戻
新型コロナショック直後の20年3月ごろから、株価がどれだけ戻っているか
速・並・遅の3段階評価。チャートの形をパッと見しての、個人的な判断
・売ガ
今期の売上高ガイダンス
・進捗
今期の売上高進捗率
※ドトールは2月決算