【ネットM】21年6月期・第2四半期の決算

先週9日、ネットマーケティング(6175)の21年6月期・第2四半期の決算が発表されました。

売上高が6671百万円、EPSが11.65円、売上高成長率は前期比で-13.9%でした。

今回、新型コロナウイルス禍による影響で、通期のガイダンスを下方修正しました。

売上高 15500百万円→14400百万円(-7.1%)

EPS 22.98円~37.17円→18.25円(-50.9~-20.6%)

メディア事業に区分する婚活マッチングサービス「Omiai」(オミアイ)の売上高は1209百万円で、前期比+5.96%でした。

四半期ベースでは2期連続で前期比プラス、20年6月期1Qの1238百万円に次いで過去2番目となる数字でした。

翌10日以降、株価は大きく下落して調整しました。

私は継続保有します。

私は同社に関して、メディア事業(オミアイ)を成長のエンジンと見なしています。株式の保有については、オミアイの売上高の成長を最重要視しています。

オミアイの売上高は進捗が良く、四半期ベースでは過去2位でした。

私が第1四半期のブログで挙げた2つの懸念、

①競争環境が激化し、Omiaiが劣勢になりつつある

②新型コロナ禍で、婚活マッチングサービス市場自体が一時的に縮小した

は、いったん薄れたと判断します。

オミアイは男性会員が3980円/月を基本とするストックビジネスで、現在の会員数は約8万7000人です。

今回の決算発表では主力の広告事業がコロナ禍で不振にあえいでおり、通期の売上高およびEPSの下方修正を余儀なくされました。

私はオミアイの成長に期待しているので、この下方修正は容認しようと思います。

参考:ネットマーケティングの第2四半期決算の補足説明資料はこちら

【イーレックス】第3四半期の決算

先週の10日、イーレックス(9517)が21年3月期・第3四半期の決算短信を発表しました。

売上高がコンセンサス71150百万円に対して75657百万円、EPSが75.11円、売上高成長率は前期比で+16.8%でした。

業績予想の修正はありませんでした。

当期純利益はコンセンサス3130百万円に対して3951百万円でした。

EPSは今期決算でガイダンス99.9円となっています。

売上高〇、当期純利益〇という良い決算内容でした。

競争環境が激化しており、小売電力には相変わらず値下げ圧力がかかっています。イーレックスは日本卸売電力取引所(JEPX)での仕入や相対電源の見直しにより調達コストを下げており、それが営業利益の増益に寄与しています。

決算内容が良いので、問題なく継続保有します。

【GMOペパボ】20年12月期の決算

きのう3日、GMOペパボ(3633)の20年12月期の決算を発表しました。

通期の売上高はコンセンサス11072百万円に対して11014百万円、EPSがコンセンサス113.40円に対して159.07円、売上高成長率は前期比で+23.2%でした。

21年12月期はガイダンスで売上高13223百万円、EPS150.65円が提示されました。

20年12月期はコンセンサスに対して売上高×、EPS〇、21年12月通期の売上高ガイダンス〇でした。

ただし、EPSに関しては有価証券の売却益で当期純利益を2.6億円上積みしています。

全体的にはかなりがんばって数字をつくりにいって、コンセンサスを上回るためいっぱいいっぱいで頑張っているという印象です。

目先では株価が下がってもおかしくない決算だと思います。

【グリムス】購入した理由

きのう2日、新規銘柄で再生可能エネルギーの売電事業を手がけるグリムス(3150)を購入しました。

以前からチェックしていた銘柄ですが、今回は1月29日に発表された21年3月期の第3四半期の決算短信を確認して、購入を決めました。

ここでは購入した理由を書きます。

☆グリムス 購入した理由

グリムスを購入した理由は以下の2つです。

①21年3月の決算で、営業利益のコンセンサス予想と実績にかい離が出るおそれが少ない

②決算を無難にこなせば、今年は再生可能エネルギー銘柄として堅調に推移しそう

【21年3月期 第3四半期の決算短信】(単位:百万円)

・3Qの営業利益 701

・3Qまでの累計の営業利益 2315

・21年3月期のコンセンサスの営業利益 3000

4Qにコンセンサスを達するために必要な営業利益は、3000-2315=685

【過去の四半期ごとの営業利益】(単位:百万円)

過去3年、2Qと4Qの数字が近似することに私は目をつけました。

※数字は「2Qの営業利益、4Qの営業利益」

18年3月期 260、209

19年3月期 274、263

20年3月期 445、466

21年3月期 603、?

直近3期の2Qと4Qの営業利益の近似を手がかりにすると、21年3月期の4Qは600~700百万円の営業利益を見込めるはず。

これは21年3月期のコンセンサスを達成するために必要な685百万円を収める範囲なので、通期の業績にも大きな下振れはないだろう…というのが、私が購入に踏み切った理由です。

国内の再生可能エネルギーの銘柄では、私はグリムスを有望視しています。

保有銘柄にもなったので、これから同社のニュースや業績にはアンテナを張っていくつもりです。

コロナ禍でホテルリートを考える

この冬に新型コロナウイルスの感染が再拡大していることを受けて、私はホテルREITに注目しています。

ここでは具体的な銘柄として、ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)を見てみます。

☆ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)

・直近の価格は52700円(1/28)

・52週間の最安値は24320円(20年3/19)

・昨年3月19日と比べて、現在の価格は216.7%

・昨年10月以降、価格は5万5000円台の前後で推移

・今年1月には、20年12月の通期業績を上方修正している

今期に関しては、まず第1四半期は業績の下方修正が入ると見ています。

現在は新型コロナの感染拡大により緊急事態宣言が出ていますが、この影響が第1四半期に反映されるはずです。

現在の価格がそうした未来を織り込んでいるかは分かりませんが、どれだけ価格が変動するかは注目しておきたいところです。

新型コロナのワクチンが海外諸国で接種が始まっていることは、日本のケースを考える際の先行指標になるのではと考えています。

日本では医療従事者以外の一般の人々への接種が始まるのは、早くても4月以降からの予定となっているからです。

ワクチン効果で海外市場の株価が上がるようであれば、2-3カ月後ろから追いかけていく日本でも同じような展開になるのではないでしょうか。

インバウンド銘柄でもあるジャパン・ホテル・リート投資法人は、しばらく成り行きを注視します。

サイゼリヤの21年度1Q決算は

サイゼリヤがきのう13日、21年度第1四半期(20年9-11月)の決算を発表しました。

サマリは以下の通りです。

・純利益は3四半期ぶりに黒字

→前年同期比-81%の2億5000万円

翌14日の株価は、経費削減による3四半期ぶりの黒字が好感されて、終値で+5.45%の1973円となりました。

場外乱闘的な話題では、記者会見に臨んだ同社の堀埜社長が、政府の新型コロナウイルス感染拡大予防のために「ランチも自粛」発言を受けて、

「きょうまたランチがどうのこうのと言われて、ふざけんなよと」

と発言したことがニュースなどで取り上げられました。

発言の良しあしはさておき…

お上のことなど意にも介さないあたり、いかにもサイゼリヤらしいなと思いました笑

同社についてはいまの第2四半期(12-2月)の売上が想定を超えて下振れするはずなので、今は買いどきではないと見ます。

新型コロナ緊急事態宣言での注目銘柄

日本政府は現在、新型コロナウイルスの感染拡大が続く東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の首都圏1都3県に対して緊急事態宣言の発令を検討しています。

実際に発令されると日本市場にもネガティブインパクトが見込まれますが、ここでは個人的に注目したい銘柄としてサイゼリヤ(7581)を取り上げます。

☆サイゼリヤについての確認

・20年8月期は売上高1268億円(国内952、海外314。海外比率は24.8%)

・きのう5日時点の株価は1833円

→直近52週間の最安値は20年4/6につけた1608円

→昨年はコロナ禍が一息ついた10月に2150円台(4月から約+30%)まで値を戻す場面も

☆私がサイゼリヤに注目した理由

・緊急事態宣言が発令したら、外食産業の株価は下落しそう

・外食の企業では、サイゼリヤに期待できそう

・昨年のコロナ禍からの株価戻りでは30%の上昇をしている

・2度目の緊急事態宣言発令で、サイゼリヤもある程度耐性ができているはず

私はサイゼリヤは「レジリエンス(しなやかな回復力)を持つ企業」だと見ています。

創業者である正垣泰彦会長は徹底した理系思考の持ち主で、サイゼリヤの経営も厳密な数字に裏打ちされた科学的なアプローチで成長してきました。

そうした企業文化やDNAは、一度経験済みの新型コロナウイルス禍=緊急事態宣言でも真価を発揮するのではと期待します。

市場全体が外食産業を悲観視して株価が極端に下がるようであれば、サイゼリヤは狙いどころになるかもしれません。

【マネックス証券アクティブファンド】11月レポ

マネックス証券が肝いりで販売しているファンド、

マネックス・アクティビスト・ファンド(愛称:日本の未来)

の11月の月次レポートを読みました。

サマリは以下の通りです。

11月末時点で…

・基準価額は10,450円(前月比+4.9%)

・純資産総額は48.6億円(同+24.9%)

株式組入比率は「個別企業の時価総額で区分した投資先の企業数」を非表示に

11月末時点で、時価総額5000億円以下の投資先の企業数が62.8%

純資産総額は前月比で25%近く上昇し、2カ月ぶりに前月比プラスとなりました。

10月には売出し時の基準価格1万円を切るときもあったので、値ごろだと感じた投資家の買いが一定数入ったのかもしれません。

株式組入比率の数字では、今月のレポートから「個別企業の時価総額で区分した投資先の企業数」を非表示にしました。

例えばこの数字、先月10月のレポートでは「時価総額1兆円以上の企業17社に投資」というように分かりました。

推測の域を出ませんが、時価総額の大きい企業と投資先の企業数については、同業のプロがみればどの企業に投資しているのかがアタリがつくのではないでしょうか。

アクティビストファンドにとっては、今回の変更は手の内隠しなのかなという印象を持ちました。

同ファンドの動向は来月以降もブログで取り上げていきます。

※私は同ファンドを1万円ぶん、保有しています。

参考:過去記事

7月

8月

9月

10月

ビットコインに約621億円の買いが入る

米系ヘッジファンドが暗号資産のビットコイン(BTC)を6億ドル(約621億円)買い集めていたことが判明したと、ブルームバーグが報じています。

ブルームバーグの記事はこちら

購入したのはボラティリティーへの投資に特化したワン・リバー・アセット・マネジメントで、同社は暗号資産を専門とする子会社を通じて買い集めたそうです。

S&P500が暗号資産のETF組成を表明するなど、BTCなどの暗号資産には機関投資家の買いが流入してくると期待されています。

今回のブルームバーグのニュースは、そうした動きが顕在化したものの一つです。

私もこうした動きに対して「買いが買いを呼ぶ」という展開になることを期待して、BTCを保有しています。

【再生可能エネ③-3】エクソンモービルは再生エネをどう見てるか

菅首相は所信表明演説で「2050年、温室効果ガスゼロの脱炭素社会を目指す」と宣言しました。

政策関連銘柄のテーマとして「再生可能エネルギー」が注目されています。

このブログでは私なりにテーマ研究をしています。

シリーズ第3回「再生可能エネルギーの事業環境」、第3回はエクソンモービルは再生可能エネルギーをどう評価しているかを見てみます。

エクソンモービル(XOM)は世界最大の石油メジャー企業です。米国の政府とも一定の距離を置き、発展途上国での原油採掘ビジネスを独力で切り開くとんでもない企業です。

XOMは世界のトップレベルの大学出身で、理系分野の博士や国際情勢を分析するアナリストを社員として雇用しています。

ときには米国のCIAとも対等にわたりあえるほどのインテリジェンスを有する同社は、自社の事業を中・長期的に駆逐するかもしれない再生可能エネルギーについて綿密な研究を日々重ねています。

そんなXOMは、再生可能エネルギーをどう評しているか?

XOMの全貌を描いた大著「石油の帝国」(ダイヤモンド社)から引用します。

『2007年までには、本社のプランナーは、太陽光・風力技術の状況については確かな理解を得たと感じていた。政府の補助金を得たこれらの産業の急速な成長を予想していたものの、エクソンモービルは太陽光も風力も本格的な脅威とはみなしていなかった。一つには、太陽光・風力はいずれも電力供給のシステムであり、石油産業の心臓部とも言うべき輸送燃料に対してはほとんど影響がなかったからである。エクソンモービルが発電のために供給するガスは、当面の間は太陽光や風力に対して十分な価格競争力があった。』(P441)

いかがでしょうか。

同書は2012年の刊行で、情報としては少し以前の時系列に入ります。

それでも、この10年間で太陽光・風力発電には(私が知る限り)革命的なブレークスルーは起きていません。

引用したくだりは、現在の太陽光・風力発電の事業環境にもだいたい“本線を突いている”と思います。

再生可能エネルギーとしての太陽光・風力発電には、大きなビジネスの可能性がある。それでも、エネルギーのポテンシャルとしては、石油産業にはまだしばらくは脅威にすらならない。

再生可能エネルギーの可能性には限界がはっきりと見えている。

XOMが導いたこの結論を、私も再生可能エネルギーの全体像として頭に入れておきます。

【参考】

石油の帝国」はエクソンモービルの全貌を描いた大著です。著者のスティーブ・コール氏はピュリッツァー賞を受賞した記者で、その膨大な取材量と資料としての正確性に同書のクオリティーは担保されています。

上下2段組で600ページ超というスーパーヘビー級の一冊ですが、エクソンモービルを通じて石油メジャーやエネルギー産業のことを学ぶには格好のテキストです。