【マネックス証券】NIPPOのTOBに物申す

マネックス証券が肝いりで販売しているファンド、

マネックス・アクティビスト・ファンド(愛称:日本の未来)

が先週、投資先である道路建設の最大手・NIPPO(ニッポ)に対して、同社が賛成表明したTOBに物申しました。

背景およびサマリは以下の通りです。

(同ファンドはMAMFと略記)

☆ニッポのTOBと、MAMFのリアクション

ニッポは年間売上高4000億円で、道路建設の最大手企業

・親会社はENEOS(エネオス)で、57%の株式を保有

・エネオスはニッポの残り43%株式も取得し、親子上場の解消を目論んでいる

・エネオスはゴールドマンサックスと組んで、買収のための特別目的会社を設立

→9月7日、買収価格4000円でTOBを表明

・MAMFは24日、「4000円は安い」と、NIPPOに条件再考を促したことを公表

参考:MAMFの公式リリースはこちら

MAMFは日本企業が親子上場を解消する際に伴う株価上昇に、アクティビストとして投資機会を見いだしています。

今回は投資先のNIPPOがMAMFを含む少数株主にとっては満足いくものではない買収価格に対して、はっきりと物申した…という展開です。

公式リリースでは、MAMFは昨年9月からニッポと対話を続けてきたことが明かされています。

ニッポは親会社のエネオス&ゴールドマンサックスの連合軍に有利な買収価格を出してきており(株式買付の原資が少なくて済む)、MAMFは「ちょっと待て」といったところでしょう。

MAMFのアクションは、アクティビストを自称するファンドとしては当然の行動です。

と同時に、ニッポから何がしかの譲歩なり妥協を引き出せるか、「お手並み拝見」ともいえる局面となります。

ことがどういう推移をたどっていくか、興味を持ってみていこうと思います。

※私は同ファンドを1万円ぶん、保有しています。

再生可能エネ銘柄と自民党の総裁選

私が保有する再生可能エネルギー銘柄のイーレックスはきのう6日、株価が+7.83%と急騰しました。

自民党の総裁選に河野太郎氏が出馬すると取りざたされているのが、上昇理由です。

簡単に解説すると、

☆次期首相が原発推進派→株価上昇

☆次期首相が反原発派→株価下落

というのが基本的な構図になります。

日本のベースロード電源に原発が使えないとなると、代替は自ずと再生可能エネルギーに絞られてくるからです。

自民党の主な政治家を分類すると、

☆原発推進派→安倍晋三、麻生太郎、岸田文雄、二階俊博

☆脱原発派→河野太郎、小泉進次郎

となります。

自民党の総裁選の風向きは再生可能エネルギー銘柄にもろに吹きつけてきそうなので、しっかりアンテナを立てていくつもりです。

【マネックス証券アクティブファンド】21年7月レポ

マネックス証券が肝いりで販売しているファンド、

マネックス・アクティビスト・ファンド(愛称:日本の未来)

の7月の月次レポートを読みました。

サマリは以下の通りです。

7月末時点で…

・基準価額は12,486円(前々月比-3.9%)

・純資産総額は94.8億円(前月比+5.2億円)

・株式組入比率

→6月末時点で、時価総額5000億円以下の投資先の企業数が36.0%

・ハイ・ウォーター・マークは13,286円

【寸評】

純資産総額は前月比+5.2億円と順調でした。

投資対象の企業の組入比率は、時価総額5000億円以下の企業が前月と比べて37.8→36.0%と少しだけ減りました。

全体的には、主要な数字は大きな変化のない1カ月間でした。

ファンド運用状況の報告では、製造業の企業とトップレベルの意見交換をしたことが触れられていました。

内容は当たり障りがなく、どの企業なのかを類推できるようなものではありませんでした。

※私は同ファンドを1万円ぶん、保有しています。

【元気寿司】外食企業の分析+

日銀が6月に発表した短観では、飲食・宿泊業界で新型コロナウイルスによる業績低迷の出遅れが観測されました。

私はこの2業種に投資妙味を見いだせないか、調べています。

今回は外食企業で面白そうな企業を見つけたので紹介します。

【すかいらーく(9828)】

☆前期(21年3月期)の業績

・売上高 38,252百万円 443百万円の最終赤字

→コロナ禍の影響で、売上高の前期比プラスが10期連続でストップ

☆今期の進捗

・1Q 売上高10,712百万円(進捗率22.8%)、経常利益13百万円(同0.7%)

☆寸評

宇都宮市に本拠地を構える回転ずしチェーン。主な展開店舗は「魚べい」です。

私が妙味を感じるのは、回転ずしの国内2トップである「スシロー」「くら寿司」と比較したとき、成長余地が多分に残されているのではないかという点です。

3社の直近の時価総額と前期売上高、そこから導かれるPSR(株価売上高倍率)を並べてみます。

☆F&Lカンパニー(スシロー)

・時価総額 562,900百万円

・売上高 199,088百万円

・PSR 2.82倍

☆くら寿司

・時価総額 175,300百万円

・売上高 136,134百万円

・PSR 1.29倍

☆元気寿司

・時価総額 23,500百万円

・売上高 43,435百万円

・PSR 0.54倍

いかがでしょうか。

3社のPSRを並べると、稼ぐ力(売上高)に対して現時点の評価(時価総額)は、元気寿司が明らかに割安にとどまっていることが分かります。

私は、回転ずしは仕入・調理・店内オペレーションがかなりの程度まで均質化される業態だと考えています。

3社の儲ける力を比較するため、売上高経常利益率も調べてみました。

スシローは6%弱、くら寿司と元気寿司は4%台です。

スシローの数字がさすがに優秀ですが、これも現在の3社のPSRの格差を正当化できるまでとはいえません。

元気寿司はスシローやくら寿司をベンチマークとすると、まだまだ時価総額を伸ばせる余地があるといえます。

それはすなわち、株価に上昇の余地が大きいということではないでしょうか。

【イーレックス】22年3月期1Qの決算

おととい11日、イーレックス(9517)が22年3月期の第1四半期決算短信を発表しました。

売上高は33,213百万円、EPSは14.13円、売上高成長率は+78.7%でした。

22年3月期のガイダンスは変更なく、売上高158,500百万円、EPS110.23円、売上高成長率+11.7%です。

売上高の通期ガイダンスに対する進捗率は21.0%です。

売上高は前年同期比で+78.7%と伸びており、通期ガイダンスに対する進捗率も繁忙期の夏・冬でないことを考えれば、まずまずだと見ます。

決算発表翌日だったきのう12日は−17%と大きく調整しましたが、ここまで急ピッチで上昇してきた分、材料出尽くしによる売りが集中したのでしょう。

同銘柄はJPX日経インデックス400への採用が決まりました。

再生可能エネルギーの有望企業であることは変わらず、指数構成のための買いも入るので底値は固いと判断します。

今回の決算短信では懸念材料が出てこなかったので、継続保有します。

【マネックス証券アクティブファンド】21年6月レポ

マネックス証券が肝いりで販売しているファンド、

マネックス・アクティビスト・ファンド(愛称:日本の未来)

の6月の月次レポートを読みました。

サマリは以下の通りです。

6月末時点で…

・基準価額は12,861円(前々月比+1.2%)

・純資産総額は89.6億円

・株式組入比率

→6月末時点で、時価総額5000億円以下の投資先の企業数が37.7%

・ハイ・ウォーター・マークは13,286円

【寸評】

今月は2020年6月25日のファンド設定以来、丸1年となりました。

6月30日時点のリターンは+28.61%と、投資家にとっては満足のいく成果となりました。

純資産総額はこの1カ月で20億円くらい増えており、新規の投資家も呼び込めているようです。

投資対象の企業の組入比率は、時価総額5000億円以下の企業が4月と比べて50.3%→37.7%と大きく減りました。

代わりに、時価総額1兆円以上の大企業への投資が37.8%となり、5000億円以下の企業と並ぶ水準になっています。

同ファンドが張ることのできるお金が増えたことで、投資戦略もはっきり大企業指向になっていることが伺えます。

投資戦略のシフトチェンジで2年目もパフォーマンスを上げることができるか、注目です。

※私は同ファンドを1万円ぶん、保有しています。

外食企業の分析 投資候補のまとめ

日銀が6月に発表した短観では、飲食・宿泊業界で新型コロナウイルスによる業績低迷の出遅れが観測されました。

私はこの2業種に投資妙味を見いだせないか、調べています。

外食では4つの企業を投資候補として、個別に分析してきました。

今回は4社の評価をまとめて並べておきます。

☆外食企業 4社のまとめ

①すかいらーくHD(3197) 値戻 遅 / 売ガ 285,000百万円 / 進捗 1Q22.7%

・投資意欲 高

・寸評 株価の戻りが遅れ気味で、投資対象になり得る

②日本マクドナルドHD(2702) 値戻 並 / 売ガ 299,500百万円 / 進捗 1Q25.3%

・投資意欲 中

・寸評 業績にコロナの影響はなし。5000円以下の株価なら投資を検討できそう

③吉野家HD(9861) 値戻 遅 / 売ガ 155,100百万円 / 進捗1Q23.5%

・投資意欲 低

・寸評 牛丼チェーンは競争環境が厳しく、先行きを見通しづらい

④ドトール・日レスHD(3087) 値戻 並 /売ガ 122,180百万円 / 進捗1Q21.7%

・投資意欲 高~中

・寸評 客足はコロナショック直後と同じ7割ほど。株価が1650円を割り込むなら注視したい

すかいらーくとドトール・日レスは、しばらく成り行きをウォッチするつもりです。

・値戻

新型コロナショック直後の20年3月ごろから、株価がどれだけ戻っているか

速・並・遅の3段階評価。チャートの形をパッと見しての、個人的な判断

・売ガ

今期の売上高ガイダンス

・進捗

今期の売上高進捗率

【ドトール・日レスHD】外食企業の分析④

日銀が先日に発表した6月の短観では、飲食・宿泊業界で新型コロナウイルスによる業績低迷の出遅れが観測されました。

私はこの2業種に投資妙味を見いだせないか、調べています。

今回は個別企業の分析の第4回としてドトール・日レスHD(3087)を取り上げます。

【ドトール・日レスHD(3087)】

☆今期(22年2月期)の業績

・売上高

ガイダンス122,180百万円、コンセンサス114,000百万円

ガイダンスは19年比で93.1%

1Qの進捗率は21.7%(26,541百万円)

・当期利益

ガイダンス4374百万円、コンセンサス4000百万円

☆前期(21年2月期)の業績

売上高96,141百万円、前期比73.3%

EPS-248.4円

☆寸評

同社は国内最大級のコーヒーチェーン「ドトール」を筆頭に、「エクセルシオール」「星乃珈琲」、パスタの「洋麺屋五右衛門」などを傘下に持ちます。

前期は新型コロナウイルスショックが直撃。売上高は前期比73.3%、最終赤字-10,979百万円を計上しました。

今期は2期ぶり最終黒字を目指していますが、1Qでは経常利益が203百万円の赤字で発進しています。

株価は、コロナ暴落に見舞われた昨年3月以後では、同年8月に大底圏で1400円台半ばまで落ち込みました。

現在はちょうど1年ほど前の大底圏と比べて、株価は15%弱ほど戻しています。

コロナ前は2000円台が通常モードでしたので、さらに値戻りするポテンシャルはありそうです。

今月15日に発表された1Qの決算説明資料を確認しました。

私が注目したのは客数で、コロナ前の19年の同四半期と対比した数字です。

ドトール 70.4%

日レス(星乃珈琲、五右衛門) 70.6%

20年2月期の売上高は、19年比で73.3%でした。

1Qの客数が70%程度というのは、「コロナの影響で客入りはまだまだ戻っていない」と読み解くべきでしょう。

以上を手がかりにして、投資の是非をどう考えるべきか?

私はワクチンの接種率が進んでくれば、ドトール(その他のお店も)への客足も自ずと戻ってくると思っています。

現在の株価が底に近いのかは分かりませんが、アフターコロナへの道すじがゆっくりとでも引かれつつあるのであれば、同社への投資で大ケガすることはないのでは…と考えます。

【注目している外食企業4社】

①すかいらーくHD(3197) 値戻 遅 / 売ガ 285,000百万円 / 進捗 1Q22.7%

②日本マクドナルドHD(2702) 値戻 並 / 売ガ 299,500百万円 / 進捗 1Q25.3%

③吉野家HD(9861) 値戻 遅 / 売ガ 155,100百万円 / 進捗1Q23.5%

④ドトール・日レスHD(3087) 値戻 並 /売ガ 122,180百万円 / 進捗1Q21.7%

・値戻

新型コロナショック直後の20年3月ごろから、株価がどれだけ戻っているか

速・並・遅の3段階評価。チャートの形をパッと見しての、個人的な判断

・売ガ

今期の売上高ガイダンス

・進捗

今期の売上高進捗率

【吉野家HD】外食企業の分析③

日銀が先日に発表した6月の短観では、飲食・宿泊業界で新型コロナウイルスによる業績低迷の出遅れが観測されました。

私はこの2業種に投資妙味を見いだせないか、調べています。

今回は個別企業の分析の第3回として吉野家HDを取り上げます。

【吉野家HD(9861)】

☆今期(22年2月期)の業績

・売上高

ガイダンス155,100百万円、コンセンサス150,400百万円

ガイダンスは19年比で76.6%

1Qの進捗率は23.5%(36,450百万円)

・当期利益

ガイダンス2000百万円、コンセンサス2600百万円

☆前期(21年2月期)の業績

売上高170,348百万円、前期比78.8%

EPS-116.1円

☆寸評

牛丼の「吉野家」、うどんの「はなまるうどん」を両軸とする同社。

前期は新型コロナウイルスショックの直撃で、最終赤字-7503百万円を計上しました。

今期は2期ぶり最終黒字を目指しており、1Qでは経常利益の進捗が48.5%と巻き返しの気配を見せています。

株価は、コロナ暴落に見舞われた昨年3月に大底で1700円台でした。

現在は2000円台まで戻していますが、コロナ前の2500-3000円台まではまだまだ道の途中といったところでしょうか。

牛丼もうどんも、外食産業では同業他社と苛烈な競争を繰り広げている商品です。

「新型コロナの業績低迷からの出遅れ」は見てとれますが、競争環境に不確定要素が多そうです。

現在の株価が安いのか適正なのか、私には判断できませんでした。

「分からないものには手出ししない」ことを原則とすると、投資対象として検討する優先順位は低そうです。

【注目している外食企業4社】

①すかいらーくHD(3197) 値戻 遅 / 売ガ 285,000百万円 / 進捗 1Q22.7%

②日本マクドナルドHD(2702) 値戻 並 / 売ガ 299,500百万円 / 進捗 1Q25.3%

③吉野家HD(9861) 値戻 遅 / 売ガ 155,100百万円 / 進捗1Q23.5%

④ドトール・日レスHD(3087) 値戻 並 /売ガ 122,180百万円 / 進捗1Q-

・値戻

新型コロナショック直後の20年3月ごろから、株価がどれだけ戻っているか

速・並・遅の3段階評価。チャートの形をパッと見しての、個人的な判断

・売ガ

今期の売上高ガイダンス

・進捗

今期の売上高進捗率

※ドトールは2月決算

【日本マクドナルド】外食企業の分析②

日銀が先日に発表した6月の短観では、飲食・宿泊業界で新型コロナウイルスによる業績低迷の出遅れが観測されました。

私はこの2業種に投資妙味を見いだせないか、調べています。

今回は個別企業の分析の第2回として日本マクドナルドHDを取り上げます。

【②日本マクドナルドHD(2702)】

☆今期(21年12月期)の業績

・売上高

ガイダンス299,500百万円、コンセンサス297,700百万円

ガイダンスは19年比で106.3%

1Qの進捗率は25.3%(75,891百万円)

・EPS

ガイダンス153.43円、コンセンサス157.20円

☆前期(20年12月期)の業績

売上高288,332百万円、前期比102.3%

当期純利益20,186百万円

☆寸評

言わずとしれたマクドナルド。

外食企業にも関わらず、新型コロナショックに襲われた2020年も前年比で業績を伸ばした稀有な企業です。

コロナショックを逆に商機と変えて、モバイルオーダー・デリバリー・ドライブスルーなどでお客さんの巣ごもり需要をがばっと取り込んでいます。

今期1Qは営業利益が前年比で+20%に達しており、正にエクセレントカンパニーだと思います。

私は「新型コロナの業績低迷からの出遅れ」を探しているので、同社は投資検討の対象外です。

いち投資家の観点で見ると、同社の株主優待(商品優待券の冊子が年2回)は現在の株価で約2%の利回りに相当していて、それなりに魅力があります。

6月の優待権利確定の直後ということもあり、業績好調の割には株価は上がっていません。

マクドナルドのヘビーユーザーの方は、優待狙いで購入しても良いかもしれません。

【注目している外食企業4社】

①すかいらーくHD(3197) 値戻 遅 / 売ガ 285,000百万円 / 進捗 1Q22.7%

②日本マクドナルドHD(2702) 値戻 並 / 売ガ 299,500百万円 / 進捗 1Q25.3%

③吉野家HD(9861) 値戻 遅 / 売ガ 155,100百万円 / 進捗1Q23.5%

④ドトール・日レスHD(3087) 値戻 並 /売ガ 122,180百万円 / 進捗1Q-

・値戻

新型コロナショック直後の20年3月ごろから、株価がどれだけ戻っているか

速・並・遅の3段階評価。チャートの形をパッと見しての、個人的な判断

・売ガ

今期の売上高ガイダンス

・進捗

今期の売上高進捗率

※ドトールは2月決算