スガノミクス投資を考える 地方銀行②

新たに首相になった菅義偉氏が提唱する経済政策、スガノミクスでは地方銀行の再編が有力テーマの一つに挙がっています。

地方銀行を投資対象として学ぶため、このブログでは数回に分けてメモを書きとめています。

第2回は顧客向けサービス業務の利益率ランキングです。

☆地方銀行グループの顧客向けサービス業務の利益率

①静岡銀行 0.34(+0.03)

②横浜銀行、東日本銀行 0.34(+0.03)

③福岡銀行 0.44(-0.02)

④北九州銀行 0.31(+0.01)

⑤関西みらい銀行 0.08(+0.06)

※1 数字は%、カッコ内は前年比

※2 順位は19年3月期、20年3月期の利益率および改善率を偏差値化して算出

引用:週間ダイヤモンド2020年4月11日号

銀行の儲ける力を表す重要な指標です。経営環境が強い逆風な中で、5位の関西みらい銀行の改善率は注目に値すると思います。

参考:第1回の記事「地方銀行の総資産の上位ランキング」

スガノミクス投資を考える 地方銀行①

自民党総裁で前官房長官の菅義偉氏が16日、第99代の内角総理大臣に就任しました。

菅首相はこれまでに地方銀行の再編の必要性に言及しており、スガノミクスの有力テーマとなる可能性があります。

地方銀行を投資対象として学ぶため、私が調べたことをこのブログで数回に分けてメモで書きとめていきます。

第1回は地方銀行の総資産の上位ランキングです。

☆地方銀行グループの総資産ランキング

①ふくおかフィナンシャルG 20.8

②コンコルディアフィナンシャルG(横浜銀行、東日本銀行) 18.9

③めぶきフィナンシャルG(足利HD、常陽銀行) 17.4

④千葉銀行 14.9

※数字は兆円(19年)

再編で複数行の経営統合がある場合、基本的には規模が大きい方が優位に立ちます。上位3行+αくらいの順位は、押さえておくべき情報でしょう。

マネックス証券アクティブファンドの8月レポ

マネックス証券が肝いりで販売しているファンド、

マネックス・アクティビスト・ファンド(愛称:日本の未来)

の8月の月次レポートが出ました。

サマリは以下の通りです。

8月末時点で…

・基準価額は1万320円(前月比+8.3%)

・純資産総額は38.2億円(同+12.0%)

・65社に投資(21社)

→そのうち半数以上の33社が、時価総額1兆円以上の大企業

基準価額は前月比+8%となりました。

プラスの値動きについては、レポートには以下の記述がありました。

『需給、テーマ及び値動きを勘案の上で上場子会社Cへの投資を行ったところ、直後に当該銘柄の親子上場解消の報道があり、短期間に10%以上のリターンを上げました。』

企業名がイニシャルになっていますが、ポラテクノや青木あすなろ建設あたりでしょうか。

レポートではアクティビスト活動や投資した個別の企業名は出していません。

これについては『エンゲージメント投資は、常に対話の相手企業があり、また集中投資戦略であることから、受益者の皆さまに投資および対話の状況や進捗をつぶさにお伝えすることが難しい投資だと考えております。』と釈明しています。

ファンドのホルダーとしては、8月は基準価額、純資産総額とも前月比プラスだったので良かったと思います。

レポートで投資対象にしている個別の企業名を出さないのは、基準価額が下がったときには、ホルダーからは厳しい批判を浴びるでしょう。

同ファンドの動向は来月もブログで取り上げていきます。

※私は同ファンドを1万円ぶん、保有しています。

参考:前回7月の記事はこちら

マネックス証券アクティブファンドの7月レポ

マネックス証券が肝いりで販売しているファンド、

マネックス・アクティビスト・ファンド(愛称:日本の未来)

の7月の月次レポートが出ました。

サマリは以下の通りです。

7月末時点で…

・基準価額は9529円

・純資産総額は34.1億円

・44社に投資

→そのうち半数以上の28社が、時価総額1兆円以上の大企業

レポートでは、マネックス証券の松本大CEOが積極的に投資企業の経営陣とコミュニケーションを取り始めていると、自身の言葉として報告していました。

私の見立ては「実弾が30億円と少しでは、アクティブファンドとして企業の経営を変革するまで迫るには足りないのではないか」というところです。

時価総額1兆円以上の大企業を相手にしてはなおさらでしょう。

同ファンドが投資対象の集中と選択を図るのか、引き続き松本CEOの個人プレーに頼っていくのか、興味を持って見守っていこうと思います。

※私は同ファンドを1万円ぶん、保有しています。

参考:前回7月の記事はこちら

【ネットM】20年6月期の決算

きのう11日、ネットマーケティング(6175)の20年6月期・本決算が発表されました。

EPSがガイダンス29.65円に対して34.53円、売上高がガイダンス14290百万円に対して14363百万円、売上高成長率は前期比で+2.2%でした。

※ネットMはコンセンサスが出ていないため、会社ガイダンスを参考値とする。

21年6月期は新ガイダンスとしてEPS22.98-37.17円、売上高15500百万円、売上高成長率+7.9%が提示されました。

20年6月期はEPS、売上高、売上高成長率ともガイダンスを超えたので、良い決算だったと思います。第4四半期に新型コロナウイルス禍による業績押し下げがあったことを考えると、プラスαの価値があるでしょう。

当年度の業績をセグメント別にみると、主力の広告事業は売上高98億34百万円(+0.2%)、成長の柱といえるメディア事業(ネットの婚活サービス「Omiai」)は売上高45億29百万円(+6.8%)でした。

これを素直に読み取るのなら、「主力事業は頭打ちも見えてきた」「成長事業はまだ伸びる期待あり」でしょう。

ネットマーケティングは会社がガイダンスの業績を手堅く超えてくることが期待でき、株価もOmiaiの成長期待に支えられていると考えているので、継続保有します。

【イーレックス】第1四半期の決算

先週7日、イーレックス(9517)の21年3月期・第1四半期の決算短信が発表されました。

EPSが10.04円、売上高が18589百万円、売上高成長率は前期比で+16.5%でした。

営業利益は前期比-34.0%の1271百万円でした。決算短信は競争激化による電力販売単価の低下と・販管費の増加が要因としています。

売上高成長率のコンセンサスが+2.1%なのに対して、第1四半期は大きくアップサイドの伸びを示しました。電力事業は夏・冬の需要に業績が左右されますが、企業の成長力は依然高いと判断します。

営業利益が前期比マイナスとなったのは競争環境の激化を反映しています。ここが材料視され、あす11日の寄り付きでは株価も調整すると予想。

【動物高度医セン】第1四半期の決算

きのう6日、日本動物高度医療センター(6039)の21年3月期・第1四半期の決算短信が発表されました。

EPSが予想35.0円に対して28.5円、売上高が予想700百万円に対して699百万円、売上高成長率は前期比で+4.4%でした。

※予想値は「通期コンセンサス×1/4」で概算

取締役2人に対して、自己株式約540百万を処分して譲渡制限つき株式報酬として割り当てることが発表されました。

EPSを押し下げたのは経常利益が前期比-11.4%となったためです。理由は人件費が増加したためとされています。

売上高成長率のコンセンサスが2.4%なのに対して+2%を出しましたが、本日の寄付きではいったん下落と予想します。

「マネックス・アクティビスト・ファンド」について

私がメイン口座にしているマネックス証券が、10日からアクティブファンドの申込を開始しました。

マネックス・アクティビスト・ファンド」(愛称:日本の未来)

というファンドです。

松本大CEOが率いて国内の上場企業にアクティビストとして働きかけていく…というのがうたい文句となっており、25日が設定日になっています。

興味を抱いたので、所感をメモしておきます。

☆何が売りか

【松本CEOが全力宣言している】

このファンドの運用に対して、松本氏が「今までの経験とネットワークと、情熱のすべてを注ぎます」と熱いメッセージを寄せています。失敗した場合の名声リスクを考えると、松本氏の年齢と立場からすると極めて高い本気度を感じます。

☆どういう投資戦略を描いているか

【おそらく親子上場の解消と内部留保の株主還元】

同ファンドは国内の特定の上場企業に狙いを定めたアクティビスト活動を展開する予定です。

具体的にはずばり、「親子上場の解消による企業価値の増大」「過大な内部留保の株主還元(吐き出し)」で運用益を出そうとしていると見ています。

これは申込説明にも明記されています。説明には「(対象企業の)事業計画の見直し」がメイン戦略であるかのように書かれていますが、ハゲタカファンドのように見られないようにするための“建前”だろうと類推しています。

実際のファンド運用に関しては、松本氏には、投資家の村上世彰氏がかつて率いていた村上ファンドのようなイメージがある気がします。

☆このファンドは買いか?

【投資の“教材”としてならアリ】

このファンドを買って儲けられるかについては、個人的にはネガティブな見立てです。

何といっても信託報酬率が高い。年率2.2%+成果報酬は、私のようにインデックスファンドを保有する投資家としては「この条件だけで見送り」という水準です。マネックス証券以外から買付けると、申込手数料も3%程度かかるようです。

ではどのような狙いなら買えるか?

これはまったく個人的な趣味・指向ですが、松本氏がどんなアクティビスト活動をするのかにはとても興味があります。松本氏の投資手法をファンド受益者として学ぶ…という目的であれば、儲けるか否かを度外視して一口購入するのはアリだと思います。

ネットマーケティングの業績予想修正について

保有銘柄のネットマーケティングは8日に通期業績予想を修正発表し、9日に見直し買いが入りました。

ここであらためて、同社の20年6月期の業績予想の推移を振り返ってみます。

【売上高 百万円】

前期実績 14,050

今期初め- 16,302

5/12 未定 ←「新型コロナウイルス問題の影響が見通せない」として

6/8 14,290

5月12日の直後には、株価はいったん下落しました。今回の見直し買いは「新型コロナウイルス問題が売上高に及ぼす影響を数字で確認できた」「コロナ前の16,302百万円から大きく下げたが、前期実績は上回って着地しそう」という投資家の安心感を反映したものということになります。

前期実績をほんの少しだけ上回る今回の発表は、個人的には「ネットマーケティングが(会計テクニックの範囲内で)数字をつくりにきた」感があるかも…と捉えています。

それでも、同社が本決算の発表を前に速やかに経営成績を開示した点に良い印象を持ちました。

日本動物高度医療センターについて

先週、新規銘柄で東証マザーズに上場している日本動物高度医療センター(6039)を購入しました。

同医院は犬・猫などのペットの高度医療(二次診療)を専門にしており、全国の動物病院と連係して、一次診療からの紹介を引き受けて成長を続けています。

同医院の購入に踏み切った理由は以下の通りです。

・少子高齢化に伴うトレンドとして、ペット市場は成長産業と判断している

・「家族の一員」であるペットの高度医療は、不況やコロナの影響も限定的なはず

・売上高が上場以来8期連続で増加中

・21年秋に大阪病院が新設予定で、新しい成長の柱が見えている

@2037円で購入した時のPERは12.0倍。配当金を出していないのがキズですが、今の時点で業績がダウンサイドに振れるようなリスク要因も多くはないだろうと判断しました。