【グリムス】購入した理由

きのう2日、新規銘柄で再生可能エネルギーの売電事業を手がけるグリムス(3150)を購入しました。

以前からチェックしていた銘柄ですが、今回は1月29日に発表された21年3月期の第3四半期の決算短信を確認して、購入を決めました。

ここでは購入した理由を書きます。

☆グリムス 購入した理由

グリムスを購入した理由は以下の2つです。

①21年3月の決算で、営業利益のコンセンサス予想と実績にかい離が出るおそれが少ない

②決算を無難にこなせば、今年は再生可能エネルギー銘柄として堅調に推移しそう

【21年3月期 第3四半期の決算短信】(単位:百万円)

・3Qの営業利益 701

・3Qまでの累計の営業利益 2315

・21年3月期のコンセンサスの営業利益 3000

4Qにコンセンサスを達するために必要な営業利益は、3000-2315=685

【過去の四半期ごとの営業利益】(単位:百万円)

過去3年、2Qと4Qの数字が近似することに私は目をつけました。

※数字は「2Qの営業利益、4Qの営業利益」

18年3月期 260、209

19年3月期 274、263

20年3月期 445、466

21年3月期 603、?

直近3期の2Qと4Qの営業利益の近似を手がかりにすると、21年3月期の4Qは600~700百万円の営業利益を見込めるはず。

これは21年3月期のコンセンサスを達成するために必要な685百万円を収める範囲なので、通期の業績にも大きな下振れはないだろう…というのが、私が購入に踏み切った理由です。

国内の再生可能エネルギーの銘柄では、私はグリムスを有望視しています。

保有銘柄にもなったので、これから同社のニュースや業績にはアンテナを張っていくつもりです。

コロナ禍でホテルリートを考える

この冬に新型コロナウイルスの感染が再拡大していることを受けて、私はホテルREITに注目しています。

ここでは具体的な銘柄として、ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)を見てみます。

☆ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)

・直近の価格は52700円(1/28)

・52週間の最安値は24320円(20年3/19)

・昨年3月19日と比べて、現在の価格は216.7%

・昨年10月以降、価格は5万5000円台の前後で推移

・今年1月には、20年12月の通期業績を上方修正している

今期に関しては、まず第1四半期は業績の下方修正が入ると見ています。

現在は新型コロナの感染拡大により緊急事態宣言が出ていますが、この影響が第1四半期に反映されるはずです。

現在の価格がそうした未来を織り込んでいるかは分かりませんが、どれだけ価格が変動するかは注目しておきたいところです。

新型コロナのワクチンが海外諸国で接種が始まっていることは、日本のケースを考える際の先行指標になるのではと考えています。

日本では医療従事者以外の一般の人々への接種が始まるのは、早くても4月以降からの予定となっているからです。

ワクチン効果で海外市場の株価が上がるようであれば、2-3カ月後ろから追いかけていく日本でも同じような展開になるのではないでしょうか。

インバウンド銘柄でもあるジャパン・ホテル・リート投資法人は、しばらく成り行きを注視します。

サイゼリヤの21年度1Q決算は

サイゼリヤがきのう13日、21年度第1四半期(20年9-11月)の決算を発表しました。

サマリは以下の通りです。

・純利益は3四半期ぶりに黒字

→前年同期比-81%の2億5000万円

翌14日の株価は、経費削減による3四半期ぶりの黒字が好感されて、終値で+5.45%の1973円となりました。

場外乱闘的な話題では、記者会見に臨んだ同社の堀埜社長が、政府の新型コロナウイルス感染拡大予防のために「ランチも自粛」発言を受けて、

「きょうまたランチがどうのこうのと言われて、ふざけんなよと」

と発言したことがニュースなどで取り上げられました。

発言の良しあしはさておき…

お上のことなど意にも介さないあたり、いかにもサイゼリヤらしいなと思いました笑

同社についてはいまの第2四半期(12-2月)の売上が想定を超えて下振れするはずなので、今は買いどきではないと見ます。

新型コロナ緊急事態宣言での注目銘柄

日本政府は現在、新型コロナウイルスの感染拡大が続く東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の首都圏1都3県に対して緊急事態宣言の発令を検討しています。

実際に発令されると日本市場にもネガティブインパクトが見込まれますが、ここでは個人的に注目したい銘柄としてサイゼリヤ(7581)を取り上げます。

☆サイゼリヤについての確認

・20年8月期は売上高1268億円(国内952、海外314。海外比率は24.8%)

・きのう5日時点の株価は1833円

→直近52週間の最安値は20年4/6につけた1608円

→昨年はコロナ禍が一息ついた10月に2150円台(4月から約+30%)まで値を戻す場面も

☆私がサイゼリヤに注目した理由

・緊急事態宣言が発令したら、外食産業の株価は下落しそう

・外食の企業では、サイゼリヤに期待できそう

・昨年のコロナ禍からの株価戻りでは30%の上昇をしている

・2度目の緊急事態宣言発令で、サイゼリヤもある程度耐性ができているはず

私はサイゼリヤは「レジリエンス(しなやかな回復力)を持つ企業」だと見ています。

創業者である正垣泰彦会長は徹底した理系思考の持ち主で、サイゼリヤの経営も厳密な数字に裏打ちされた科学的なアプローチで成長してきました。

そうした企業文化やDNAは、一度経験済みの新型コロナウイルス禍=緊急事態宣言でも真価を発揮するのではと期待します。

市場全体が外食産業を悲観視して株価が極端に下がるようであれば、サイゼリヤは狙いどころになるかもしれません。

【マネックス証券アクティブファンド】11月レポ

マネックス証券が肝いりで販売しているファンド、

マネックス・アクティビスト・ファンド(愛称:日本の未来)

の11月の月次レポートを読みました。

サマリは以下の通りです。

11月末時点で…

・基準価額は10,450円(前月比+4.9%)

・純資産総額は48.6億円(同+24.9%)

株式組入比率は「個別企業の時価総額で区分した投資先の企業数」を非表示に

11月末時点で、時価総額5000億円以下の投資先の企業数が62.8%

純資産総額は前月比で25%近く上昇し、2カ月ぶりに前月比プラスとなりました。

10月には売出し時の基準価格1万円を切るときもあったので、値ごろだと感じた投資家の買いが一定数入ったのかもしれません。

株式組入比率の数字では、今月のレポートから「個別企業の時価総額で区分した投資先の企業数」を非表示にしました。

例えばこの数字、先月10月のレポートでは「時価総額1兆円以上の企業17社に投資」というように分かりました。

推測の域を出ませんが、時価総額の大きい企業と投資先の企業数については、同業のプロがみればどの企業に投資しているのかがアタリがつくのではないでしょうか。

アクティビストファンドにとっては、今回の変更は手の内隠しなのかなという印象を持ちました。

同ファンドの動向は来月以降もブログで取り上げていきます。

※私は同ファンドを1万円ぶん、保有しています。

参考:過去記事

7月

8月

9月

10月

ビットコインに約621億円の買いが入る

米系ヘッジファンドが暗号資産のビットコイン(BTC)を6億ドル(約621億円)買い集めていたことが判明したと、ブルームバーグが報じています。

ブルームバーグの記事はこちら

購入したのはボラティリティーへの投資に特化したワン・リバー・アセット・マネジメントで、同社は暗号資産を専門とする子会社を通じて買い集めたそうです。

S&P500が暗号資産のETF組成を表明するなど、BTCなどの暗号資産には機関投資家の買いが流入してくると期待されています。

今回のブルームバーグのニュースは、そうした動きが顕在化したものの一つです。

私もこうした動きに対して「買いが買いを呼ぶ」という展開になることを期待して、BTCを保有しています。

【再生可能エネ③-3】エクソンモービルは再生エネをどう見てるか

菅首相は所信表明演説で「2050年、温室効果ガスゼロの脱炭素社会を目指す」と宣言しました。

政策関連銘柄のテーマとして「再生可能エネルギー」が注目されています。

このブログでは私なりにテーマ研究をしています。

シリーズ第3回「再生可能エネルギーの事業環境」、第3回はエクソンモービルは再生可能エネルギーをどう評価しているかを見てみます。

エクソンモービル(XOM)は世界最大の石油メジャー企業です。米国の政府とも一定の距離を置き、発展途上国での原油採掘ビジネスを独力で切り開くとんでもない企業です。

XOMは世界のトップレベルの大学出身で、理系分野の博士や国際情勢を分析するアナリストを社員として雇用しています。

ときには米国のCIAとも対等にわたりあえるほどのインテリジェンスを有する同社は、自社の事業を中・長期的に駆逐するかもしれない再生可能エネルギーについて綿密な研究を日々重ねています。

そんなXOMは、再生可能エネルギーをどう評しているか?

XOMの全貌を描いた大著「石油の帝国」(ダイヤモンド社)から引用します。

『2007年までには、本社のプランナーは、太陽光・風力技術の状況については確かな理解を得たと感じていた。政府の補助金を得たこれらの産業の急速な成長を予想していたものの、エクソンモービルは太陽光も風力も本格的な脅威とはみなしていなかった。一つには、太陽光・風力はいずれも電力供給のシステムであり、石油産業の心臓部とも言うべき輸送燃料に対してはほとんど影響がなかったからである。エクソンモービルが発電のために供給するガスは、当面の間は太陽光や風力に対して十分な価格競争力があった。』(P441)

いかがでしょうか。

同書は2012年の刊行で、情報としては少し以前の時系列に入ります。

それでも、この10年間で太陽光・風力発電には(私が知る限り)革命的なブレークスルーは起きていません。

引用したくだりは、現在の太陽光・風力発電の事業環境にもだいたい“本線を突いている”と思います。

再生可能エネルギーとしての太陽光・風力発電には、大きなビジネスの可能性がある。それでも、エネルギーのポテンシャルとしては、石油産業にはまだしばらくは脅威にすらならない。

再生可能エネルギーの可能性には限界がはっきりと見えている。

XOMが導いたこの結論を、私も再生可能エネルギーの全体像として頭に入れておきます。

【参考】

石油の帝国」はエクソンモービルの全貌を描いた大著です。著者のスティーブ・コール氏はピュリッツァー賞を受賞した記者で、その膨大な取材量と資料としての正確性に同書のクオリティーは担保されています。

上下2段組で600ページ超というスーパーヘビー級の一冊ですが、エクソンモービルを通じて石油メジャーやエネルギー産業のことを学ぶには格好のテキストです。

【再生可能エネ③-2】再生可能エネの電源構成

【出典】資源エネルギー庁「日本のエネルギー2019」9P

菅首相は所信表明演説で「2050年、温室効果ガスゼロの脱炭素社会を目指す」と宣言しました。

政策関連銘柄のテーマとして「再生可能エネルギー」が注目されています。

このブログでは私なりにテーマ研究をしています。

シリーズ第3回「再生可能エネルギーの事業環境」、第2回は再生可能エネルギーの電源構成を見ていきます。

データは資源エネルギー庁が作成した資料「日本のエネルギー2019」を参照しました。

☆日本のエネルギーの電源構成

・2017年度(総発電力量 1兆600億kW)

・2030年度見通し(総初電力量 1兆650億kW程度)

※数字の推移は「17年度→30年度」

再生可能エネ 16%→22~24%

原子力 3%→20~22%

天然ガス 40%→27%

石炭 33%→26%

石油 9%→3%

☆上記のうち、再生可能エネルギーの電源構成

地熱 0.2%→1.0~1.1%

バイオマス 2.1%→3.7~4.6%

風力 0.6%→1.7%

太陽光 5.2%→7.0%

水力 7.9%→8.8~9.2%

☆電源構成に関する考察

この10年間で、国家が政策として目指す数字は以下の通り。

・再生可能エネルギーは全電源の比率で約1.5倍(16%→22~24%)に引き上げる

・バイオマス発電は約2倍(2.1%→3.7~4.6%)に引き上げる

・太陽光発電は約1.3倍(5.2%→7.0%)に引き上げる

ごく大ざっぱにいえば、この10年間で「バイオマス発電は1.5倍成長する産業」「太陽光発電は1.3倍成長する産業」となります。

国としてもあくまでも目標数字に掲げているにすぎませんが、菅首相の政権下では少なくとも逆風の展開にはならないと思います。

たとえば投資の神様といわれるウォーレン・バフェット氏も「縮小していく市場で成功するのは難しいが、拡大していく市場で成功するのははるかに簡単だ」という格言を残しています。

日本の再生可能エネルギー産業はどれくらいの年数でどれくらいの成長を見込めるのか、これらの数字は羅針盤としてそれなりに使えるのではないでしょうか。

【補足】

私が参照した資源エネルギー庁「日本のエネルギー2019」は、出典部分以外にも有用な情報が満載でした。より深く業界研究をしたい方はこのリンクからどうぞ。

【再生可能エネ③-1】FITについて

菅首相は所信表明演説で「2050年、温室効果ガスゼロの脱炭素社会を目指す」と宣言しました。

政策関連銘柄のテーマとして「再生可能エネルギー」が注目されています。

このブログでは私なりにテーマ研究をしています。

シリーズ第3回は「再生可能エネルギーの事業環境」です。

理屈・理論が多くなりがちなトピックですが、基本的な知識を大きくつかめるようにまとめていきます。

第1回はFIT(固定価格買い取り制度)を取り上げます。

☆FITとは

固定価格買い取り制度。英語は「Feed-in Tariff」(料金に組み込む)の略称。

再生可能エネルギーでつくられた電力は、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束しています。

発電事業者にとっては商品(電力)が一定期間に渡って固定された価格で売れるので、事業計画を立てやすくなります。

監督官庁は経済産業省・資源エネルギー庁です。

☆FITの対象となる再生可能エネルギー

太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの5つです。

☆FITに充てられる費用はどこから捻出される?

再生可能エネルギーを買い取る電力会社が、電気の使用者から電気料金にプラスして広くあまねく集めています。この集めているお金が、よく聞く「再エネ賦課金」(再生可能エネルギー発電促進賦課金)です。

企業・団体や一般の人たちは、毎月の電力料金のプラスされる形で再エネ賦課金を負担していることは覚えておいていいと思います。電気料金の明細書で毎月いくらを負担しているのか確認できます。

☆太陽光発電とバイオマスの固定買い取り価格は?

再生可能エネルギーの銘柄群は太陽光と木質バイオマスを扱う企業が多いので、2つの20年度の固定買い取り価格を確認しておきます。

①太陽光(調達期間は10年間)

・10kW~50kW未満 13円

・50kW~250kW未満 12円

・250kW~ 入札制度

②木質バイオマス(調達期間は20年)

・2000kW未満 40円

・2000kW~ 32円

☆FITに対する私の見通し

私は「菅首相の政権の間は、FITが大きく減額されることはない」という見通しを立てます。

FITの原資は税金ではなく、企業・団体や一般の人たちからの電力料金(賦課金)です。景気変動による税収の増減の影響を受けず、徴収する経路も非常に固く確立されているので、原資不足の心配はないでしょう。

菅政権が「2050年までに脱炭素社会を目指す」と宣言している以上、再生可能エネルギー推進を支えるFITは制度として太い柱であり続けるはずです。

裏を返して言うと「FITの制度変更で再生可能エネの企業銘柄が大きく下落したとき」は、買い場の好機になるかもしれません。

参考:資源エネルギー庁の公式サイト FITの基本情報

【再生可能エネ ②番外編】企業分析<イーレックス>

菅首相は所信表明演説で「2050年、温室効果ガスゼロの脱炭素社会を目指す」と宣言しました。

政策関連銘柄のテーマとして「再生可能エネルギー」が注目されています。

このブログでは私なりにテーマ研究をしています。

第2回「企業分析」、最終回は番外編としてイーレックスを取り上げます。

☆イーレックス(9517) 東証一部

・1999年創業、東京都中央区京橋、代表:本名均、資本金:52億円

・事業 独立系の新電力会社。主な事業は電力小売。再生可能エネルギー事業は国内で初めてバイオマス電源を開発した実績があり、現在は発電所4カ所を保有。発電から小売まで一気通貫の電力ビジネスモデルを目指している。

・売上高 20年3月期は886億円

・当期純利益 20年3月期は45億円

・再生可能エネルギー事業について

バイオマス発電所を4カ所保有。さらに3カ所を建設予定。26年運用開始を目標として新潟に建設中の大型発電所は、国内初のNon-Fitを計画している。

・寸評

【評価】-(5点満点=保有銘柄のため採点なし)

イーレックスは私が保有中の銘柄のため、評価なしとしました。

この企業分析シリーズでは番外編として取り上げます。

大手電力会社の資本ではない独立系の新電力会社として、近年になって存在感を増しつつある企業です。

筆頭株主は17.2%を保有する光通信。営業力や“現金商売”に強いDNAの源流はここら辺にありそうです。

電力小売から始まって、再生可能エネルギー事業はバイオマス発電所を4カ所保有しています。

26年までにはさらに3カ所を建設して計7カ所を計画しており、新潟では国内初のNon-Fit大型バイオマス発電所を稼働させる予定です。

売上高は株式上場した14年以来6期連続で右肩上がりと、成長性も文句なしです。

20年3月期は電力小売事業の競争が激化したため、経常利益の伸びが鈍化しました。今年の9月にはカンボジアに水力発電所を建設するための資金調達として、22億円の増資を行いました。

競争環境が厳しさを増している電力小売事業で日銭を稼ぎつつ、いかにバイオマス発電や海外案件をの再生可能エネルギー事業を進捗させていけるかが、中長期的な展望になります。

直近の株価の推移としては、11月だけで50%以上も急上昇しています。21年3月期予想をベースとしたPERではまだ20倍前後ですが、今から入るには少し勇気がいりそうです。

ポジショントークを避けるため銘柄採点はつけませんが、個人的には「ビジネスモデルは4点、直近の株価の上昇を考慮すると3点」というイメージを持っています。

同業他社の企業と比較するとき、電力小売で強い営業力を見せてきたというのが、イーレックスのアドバンテージだと思います。

再生可能エネルギーのテーマ研究、第2回の企業分析はこれで一区切りにします。

第3回は「再生可能エネルギーの事業環境」を調べていく予定です。