円安がどんどん進んでいますが、私はコロナ禍の出入国制限が緩和されたとき、インバウンド銘柄に恩恵があるのではないかと見ています。
円安インバウンド銘柄として、ホテル経営を手がける3社を取り上げます。
今回は個別企業の分析の第2回として帝国ホテルを取り上げます。
【②帝国ホテル(9708)】
☆直近の業績
・売上高(百万円)
19年3月期 58,426
20年3月期 54,558
21年3月期 22,051
22年3月期 ガイダンス 28,500/3Qの進捗率は76.2%(21,725)
☆寸評
1890年、日本を代表する高級ホテルです。
業態としてコロナ禍が直撃して、21年3月期は前期比で売上高が4割ほどにまで落ち込み、11,710百万円の営業損失を計上しました。
コロナの影響は今期も続くと見込んでおり、ガイダンスでは営業損失11,200百万円としています。
最近は旅行の宿泊客がいないのを少しでも穴埋めするため、30泊の1カ月間滞在プランなどを打ち出して注目を集めたりしています。
コロナ前の2019-20年間、株価は2000円台で推移していました。
現在の株価は1800円台。
アフターコロナ銘柄としては、堅く見て10%ほどの上昇余地があります。
円安によるインバウンドが期待されれば、さらに上値も見えてくるでしょう。
何といっても日本屈指の高級ホテルの看板があるので、復調自体は十分に期待できます。
少し懸念があるとすれば、21年12月時点で利益剰余金が38370百万円となっています。
21年3月期は当期純損失が14,363百万円でした。
無借金経営といまの財務基盤は健全ですが、数年スパンでコロナモードが続くようだと赤字によるフトコロ事情は心もとなくなってきそうです。