菅首相は所信表明演説で「2050年、温室効果ガスゼロの脱炭素社会を目指す」と宣言しました。
政策関連銘柄のテーマとして「再生可能エネルギー」が注目されています。
このブログでは私なりにテーマ研究をしています。
第2回「企業分析」、最終回は番外編としてイーレックスを取り上げます。
☆イーレックス(9517) 東証一部
・1999年創業、東京都中央区京橋、代表:本名均、資本金:52億円
・事業 独立系の新電力会社。主な事業は電力小売。再生可能エネルギー事業は国内で初めてバイオマス電源を開発した実績があり、現在は発電所4カ所を保有。発電から小売まで一気通貫の電力ビジネスモデルを目指している。
・売上高 20年3月期は886億円
・当期純利益 20年3月期は45億円
・再生可能エネルギー事業について
バイオマス発電所を4カ所保有。さらに3カ所を建設予定。26年運用開始を目標として新潟に建設中の大型発電所は、国内初のNon-Fitを計画している。
・寸評
【評価】-(5点満点=保有銘柄のため採点なし)
イーレックスは私が保有中の銘柄のため、評価なしとしました。
この企業分析シリーズでは番外編として取り上げます。
大手電力会社の資本ではない独立系の新電力会社として、近年になって存在感を増しつつある企業です。
筆頭株主は17.2%を保有する光通信。営業力や“現金商売”に強いDNAの源流はここら辺にありそうです。
電力小売から始まって、再生可能エネルギー事業はバイオマス発電所を4カ所保有しています。
26年までにはさらに3カ所を建設して計7カ所を計画しており、新潟では国内初のNon-Fit大型バイオマス発電所を稼働させる予定です。
売上高は株式上場した14年以来6期連続で右肩上がりと、成長性も文句なしです。
20年3月期は電力小売事業の競争が激化したため、経常利益の伸びが鈍化しました。今年の9月にはカンボジアに水力発電所を建設するための資金調達として、22億円の増資を行いました。
競争環境が厳しさを増している電力小売事業で日銭を稼ぎつつ、いかにバイオマス発電や海外案件をの再生可能エネルギー事業を進捗させていけるかが、中長期的な展望になります。
直近の株価の推移としては、11月だけで50%以上も急上昇しています。21年3月期予想をベースとしたPERではまだ20倍前後ですが、今から入るには少し勇気がいりそうです。
ポジショントークを避けるため銘柄採点はつけませんが、個人的には「ビジネスモデルは4点、直近の株価の上昇を考慮すると3点」というイメージを持っています。
同業他社の企業と比較するとき、電力小売で強い営業力を見せてきたというのが、イーレックスのアドバンテージだと思います。
再生可能エネルギーのテーマ研究、第2回の企業分析はこれで一区切りにします。
第3回は「再生可能エネルギーの事業環境」を調べていく予定です。