菅首相は所信表明演説で「2050年、温室効果ガスゼロの脱炭素社会を目指す」と宣言しました。
政策関連銘柄のテーマとして「再生可能エネルギー」が注目されています。
このブログでは私なりにテーマ研究をしています。
第2回「企業分析」、5回目はサニックスです。
☆サニックス(4651) 東証一部
・1978年創業、福岡市博多区、代表:宗政寛、資本金:140億円
・事業:太陽光発電の施工会社。住宅・法人向けの両方を扱い、製造・販売・施工を一貫して行う。15年からは電力小売も手がける。祖業はホーム・サニテーション事業。
・売上高 20年3月期は525億円
・当期純利益 20年3月期は18.5億円
・再生可能エネルギー事業について
太陽光発電によるソーラー・エンジニアリング事業を主要事業に位置づける。製造・販売・施工・メンテナンスまでを一貫して手がけることを強みとして、再生可能エネルギーの普及拡大に貢献する。
・寸評
【評価】☆☆(5点満点)
ソーラー・エンジニアリング(SE)事業を筆頭に掲げていますが、現在の稼ぎ頭はホーム・サニテーション事業です。
直近3期のSE事業の売上高、全売上高に占める割合は以下の通りです。
18年3月期 7621百万円 15.2%
19年3月期 10609百万円 20.9%
20年3月期 9132百万円 17.4%
決算資料などでも同社が認めている通り、電力小売がFIT価格の変更や契約世帯数の減少に影響されており、SE事業も右肩上がりの成長には至っていません。
PERは11月現在で8倍台と、再生可能エネルギーの他の関連銘柄と比べると割安です。同じ太陽光発電を手がけるウエストHDなどと比較すると、株価水準的には買いやすいといえるかもしれません。
「太陽光発電が専業という訳ではない」「SE事業の成長がまだ軌道に乗っているとはいえない」という点で、現時点で有望な銘柄とはいえないと判断します。
ホーム・サニテーション事業で築いた住宅や企業ビルなどの施工・メンテナンスのノウハウや営業ルートを、どこまでSE事業へのシナジーとして利用できるかというのが、サニックスを再生可能エネルギー銘柄として評価するポイントだと思います。
このシナジーに期待したり適正な事業分析をできるのであれば、有力な再生可能エネルギー企業へと変貌していくかもしれません。
参考:サニックスの企業サイトはこちら