小泉進次郎農相が政府備蓄米を随意契約で放出して、コメ価格を下げることに躍起となっています。
江藤拓前農相はJAへの卸売からの流通にこだわっていたため、ドラスティックな政策転換といえます。
目下、続々と大手小売企業が随意契約に応じて5㌔2000円前後くらいで販売しているので、スタートダッシュには成功したといっていいでしょう。
それではこの政策は、コメ価格の恒常的な値下げにつながっていくのか?
おおよその数字として、国内では1年間で約790万トンのコメを消費しています。
それに対して、政府備蓄米は約1割の70万トンです。
今後のシナリオとしては、順手で考えるなら、
・備蓄米70万トンを出し尽くしても、通常の流通ルートのコメ価格は下がらない
・放出した備蓄米の価格に寄せる形で、通常の流通ルートのコメ価格も下がってくる
のどちらかになります。
「通常の流通ルートのコメ」は中間業者がため込んでいるとされていますが、もし本当にそうなら、中間業者が貯蔵コストを払い続けて、どこまで市場価格の推移に耐えられるか…というゲームになります。
小泉農相はきのう6日、備蓄米の在庫が尽きたら「海外からの緊急輸入も検討する」とかなり強い“口先介入”もするなど、状況は流動的です。
しばらくは小泉農相と流通業者の知恵比べ、我慢比べが続きそうです。