日銀が6月に発表した短観では、飲食・宿泊業界で新型コロナウイルスによる業績低迷の出遅れが観測されました。
私はこの2業種に投資妙味を見いだせないか、調べています。
今回は外食企業で面白そうな企業を見つけたので紹介します。
【すかいらーく(9828)】
☆前期(21年3月期)の業績
・売上高 38,252百万円 443百万円の最終赤字
→コロナ禍の影響で、売上高の前期比プラスが10期連続でストップ
☆今期の進捗
・1Q 売上高10,712百万円(進捗率22.8%)、経常利益13百万円(同0.7%)
☆寸評
宇都宮市に本拠地を構える回転ずしチェーン。主な展開店舗は「魚べい」です。
私が妙味を感じるのは、回転ずしの国内2トップである「スシロー」「くら寿司」と比較したとき、成長余地が多分に残されているのではないかという点です。
3社の直近の時価総額と前期売上高、そこから導かれるPSR(株価売上高倍率)を並べてみます。
☆F&Lカンパニー(スシロー)
・時価総額 562,900百万円
・売上高 199,088百万円
・PSR 2.82倍
☆くら寿司
・時価総額 175,300百万円
・売上高 136,134百万円
・PSR 1.29倍
☆元気寿司
・時価総額 23,500百万円
・売上高 43,435百万円
・PSR 0.54倍
いかがでしょうか。
3社のPSRを並べると、稼ぐ力(売上高)に対して現時点の評価(時価総額)は、元気寿司が明らかに割安にとどまっていることが分かります。
私は、回転ずしは仕入・調理・店内オペレーションがかなりの程度まで均質化される業態だと考えています。
3社の儲ける力を比較するため、売上高経常利益率も調べてみました。
スシローは6%弱、くら寿司と元気寿司は4%台です。
スシローの数字がさすがに優秀ですが、これも現在の3社のPSRの格差を正当化できるまでとはいえません。
元気寿司はスシローやくら寿司をベンチマークとすると、まだまだ時価総額を伸ばせる余地があるといえます。
それはすなわち、株価に上昇の余地が大きいということではないでしょうか。