日銀が先日に発表した6月の短観では、飲食・宿泊業界で新型コロナウイルスによる業績低迷の出遅れが観測されました。
私はこの2業種に投資妙味を見いだせないか、調べています。
今回は個別企業の分析の第4回としてドトール・日レスHD(3087)を取り上げます。
【ドトール・日レスHD(3087)】
☆今期(22年2月期)の業績
・売上高
ガイダンス122,180百万円、コンセンサス114,000百万円
ガイダンスは19年比で93.1%
1Qの進捗率は21.7%(26,541百万円)
・当期利益
ガイダンス4374百万円、コンセンサス4000百万円
☆前期(21年2月期)の業績
売上高96,141百万円、前期比73.3%
EPS-248.4円
☆寸評
同社は国内最大級のコーヒーチェーン「ドトール」を筆頭に、「エクセルシオール」「星乃珈琲」、パスタの「洋麺屋五右衛門」などを傘下に持ちます。
前期は新型コロナウイルスショックが直撃。売上高は前期比73.3%、最終赤字-10,979百万円を計上しました。
今期は2期ぶり最終黒字を目指していますが、1Qでは経常利益が203百万円の赤字で発進しています。
株価は、コロナ暴落に見舞われた昨年3月以後では、同年8月に大底圏で1400円台半ばまで落ち込みました。
現在はちょうど1年ほど前の大底圏と比べて、株価は15%弱ほど戻しています。
コロナ前は2000円台が通常モードでしたので、さらに値戻りするポテンシャルはありそうです。
今月15日に発表された1Qの決算説明資料を確認しました。
私が注目したのは客数で、コロナ前の19年の同四半期と対比した数字です。
ドトール 70.4%
日レス(星乃珈琲、五右衛門) 70.6%
20年2月期の売上高は、19年比で73.3%でした。
1Qの客数が70%程度というのは、「コロナの影響で客入りはまだまだ戻っていない」と読み解くべきでしょう。
以上を手がかりにして、投資の是非をどう考えるべきか?
私はワクチンの接種率が進んでくれば、ドトール(その他のお店も)への客足も自ずと戻ってくると思っています。
現在の株価が底に近いのかは分かりませんが、アフターコロナへの道すじがゆっくりとでも引かれつつあるのであれば、同社への投資で大ケガすることはないのでは…と考えます。
【注目している外食企業4社】
①すかいらーくHD(3197) 値戻 遅 / 売ガ 285,000百万円 / 進捗 1Q22.7%
②日本マクドナルドHD(2702) 値戻 並 / 売ガ 299,500百万円 / 進捗 1Q25.3%
③吉野家HD(9861) 値戻 遅 / 売ガ 155,100百万円 / 進捗1Q23.5%
④ドトール・日レスHD(3087) 値戻 並 /売ガ 122,180百万円 / 進捗1Q21.7%
・値戻
新型コロナショック直後の20年3月ごろから、株価がどれだけ戻っているか
速・並・遅の3段階評価。チャートの形をパッと見しての、個人的な判断
・売ガ
今期の売上高ガイダンス
・進捗
今期の売上高進捗率