私は最近、安倍前首相が推進した経済政策「アベノミクス」を自分なりに調べています。
そんな調べものの中から、書籍を一冊紹介します。
同書は著者である経済学者の野口氏が、アベノミクスを総覧的にまとめて解説したものです。
事実関係や経済学の知見からの基本データも押さえてあり、アベノミクスの全体像をつかむテキストとしては格好の書籍です。
例えば同書では、アベノミクスをこのようにまとめているくだりがあります。
『アベノミクスとは、1990年台から続いてきた日本の長期経済停滞を克服し、かつての力強かった日本経済を取り戻すために、まずは三本の矢である金融政策、財政政策、成長戦略を総動員してデフレ脱却を実現させようとした政策戦略であった。』
『第二次安倍政権の特異性は、デフレ脱却を政権における最優先の政策課題として位置付けた点にあった。』
野口氏は本人が書籍の中で触れているように、アベノミクスの初期に理論体系を担った浜田宏一氏の弟子筋にあたり、その意味でアベノミクスに対しても肯定的なスタンスです。
そうした点を考慮しつつも、同書はアベノミクスの硬派な入門編として得るところが多いです。