世界4位のタバコ販売会社である日本たばこ産業(JT=2914)が先日、20年12月期の決算を発表して、株価が下落調整しました。
日本株では代表的な高配当銘柄の一つで、長期保有を目的とする個人投資家も多いと思います。
私は自分がJTを保有していると想定して、長期保有のために検討するリスクをブログで全3回に渡って連載しました。
3回分のまとめを記載して、連載を締めくくります。
☆JTの保有で検討するリスク
【①今後の売上高】
今期(21年12月期)はガイダンスで前期比マイナスの見通しを発表済み。世界的な嫌煙・健康推進ブームを考えると、中・長期的にも売上高は横ばい~漸減と予想される。株式投資をしてもキャピタルゲインは期待しづらい。
【②今後の配当性向】
今期はガイダンスで上場来初となる減配見通しを発表済み。今期から「配当性向75%を目指す」と発表しており、今後は業績連動の配当金となっていく。中・長期的に売上高の伸長を見込みづらいと、増配にも期待しづらい。
【補足 代替候補の投資先】
たばこをつくる企業に投資したいのであれば、海外のメジャー企業が代替候補となる。
・アルトリア・グループ(MO)
・フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)
・ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)
この3企業はいずれもJTより規模が大きく、グローバル展開においてスケールメリットを期待できる。配当利回りも5%台後半から8%台で、JTと比べてもそん色ない。
JTに投資し、株式を継続保有する投資家は、こうしたリスクや代わりに投資できる企業があるという選択肢を考慮した上で、それでもJTを選びとる勝算は何かを考えると良いと思います。