世界4位のタバコ販売会社である日本たばこ産業(JT=2914)が先日、20年12月期の決算を発表して、株価が下落調整しました。
日本株では代表的な高配当銘柄の一つで、長期保有を目的とする個人投資家も多いと思います。
私は同銘柄を保有していませんが「JTは今後も長期保有していいのか」というネット上での議論の興味を持ちました。
そこで、私自身がJTを保有していると想定して、検討するリスクをブログに書くことにしました。
検討するリスク、第1回は「今後の売上高について」です。
☆JTの保有で検討するリスク① 今後の売上高
今後の売上高を予想する上で、私が重視するポイントは以下2点です。
・21年12月期の同社のガイダンスは2兆800億円、前期比−0.6%
・この11年間、売上高は2.0~2.2兆円でほぼ横ばいに推移
まず今期(21年12月期)はガイダンスで前期比マイナスを予想しているので、実際に減収となってもおかしくないということです。
業績予想を詳しく見ていくと、主力の海外たばこ事業で前期比−1.7%の1兆2300億円としています。
世界的な健康志向の流れの中でたばこは成長産業と言い難く、実際にこの10年間、JTも売上高は右肩上がりになっていません。
今期、来期以降も企業の売上高の成長を期待しづらいということは、株式もキャピタルゲインを期待しづらいということに他なりません。
JTは今後も他の企業と比べて高配当であり続けるとは思いますが、私は「キャピタルゲインはインカムゲインほどに期待できず、逆にキャピタルロスと相殺される」リスクがあると見ます。
JTを長期保有するのであれば、「売上高=企業の成長が期待しづらい」というのを補ってあまりある見立てやロジックを見いだすことが必要だと思います。
次回は配当性向のリスクについて考えます。