きのうに続いてイタリアンのファミレスチェーンを経営するサイゼリヤ(7581)の話題です。
私はサイゼリヤを「徹底した理系思考、科学思考で経営する企業」と見ていますが、そうした企業文化が端的に現れているのが、決算説明資料です。
実物は上記のリンクからご覧になっていただけると分かりますが、たとえば20年8月期の決算説明資料は、全31ページのほぼすべてが経営成績の数字と棒グラフ・折れ線グラフで占められています。
内容をじっくり追っていくと、計算自体は四則計算だけで充分で、どの数字や指標も企業決算で開示される基本的なものばかりです。
IT系の新興企業などにありがちな経営成績を無理やり良く見せたいがためのトリッキーな指標や恣意性は皆無で、情緒や感情に訴えかけるイラストやレトリックもまったくありません。
例えていうなら、科学者が学会で研究成果をスライドで発表するような趣きを感じさせます。
人間の五感に関わる食を扱う企業としては、かなり異色です。
決算説明資料はその企業のことを合わせ鏡のように映しだすものですが、サイゼリヤの企業文化やDNAを理解するためには一度は見てみていいと思います。