新型コロナウイルスのワクチンを開発しているバイオンテック(BNTX)とモデルナ(MRNA)が、米国でワクチン承認の見込みが高まり、株価が堅調に推移しています。
一寸先は闇という側面のあるバイオ株だけに、売買で失敗した(している)という投資家の方もいるのではないでしょうか。
そんな投資家の方に私がお勧めしたい一冊が、ナシーム・ニコラス・タレブの「まぐれ」(ダイヤモンド社) です。
投資の世界では名著の一つとされており、鬼才の経済学者でトレーダーでもある作者が投資とは何かを語っています。
タレブは本書の中で「投資の勝ち負けのほとんどはまぐれだ」と指摘しています。
身もフタもない主張ですが、投資の本質をズバリと突いています。本書を通して読むと、そのことがおぼろげながらも理解できます。
いま起こっている新型コロナのワクチン開発を巡るBNTXとMRNAの株価の値動きは、「まぐれ」のケーススタディーともいえるような状況です。
私自身はBNTXの売買で利益確定をすることができましたが、それが自分の実力ではなく偶然に大きく依存しており、まったく逆の結果が出てもおかしくなかったということを本書の読書を通じて実感しています。
「勝って驕らず、負けて腐らず」ではないですが、BNTXとMRNAの売買で痛い目を見た投資家こそ、「まぐれ」を読んで得られることが多いだろうと思います。
お金を儲けた・損したというヒリヒリする体感を投資の名著の読書経験と結びつけることができれば、投資家として今よりもスキルアップできるはずです。